盲導犬パピーウォーカーの体験
ーラブラドール・レトリバーのパピーウォーカーをして思ったことー

将来盲導犬になる、ラブラドール・レトリバーの子犬を預かり育てるボランティア(パピーウォーカー)を体験した記録です
盲導犬の実態や問題点、代替法などについての参考資料も追加しました

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リンク

ある盲導犬育成団体について

・毎日が3K日記 盲導犬ピエール

2017年10月8日に埼玉県和光市駅で起きた盲導犬「虐待」事件について

盲導犬(アイメイト)を蹴っている動画の件で質問書を送ったが回答なし PEACE活動報告Blogより

「私が見た盲導犬の一生」 NPO法人JAVA(動物実験の廃止を求める会)のホームページより

寄稿

「盲導犬の限界 視覚障害者に盲導犬ロボットを」

いいことづくし!美談ばかりの盲導犬 実は利権がらみで問題だらけ

盲導犬パピーウォーカーの体験

マスコミでも盲導犬が頻繁に取り上げられる昨今、パピーウォーカーをやってみたいと思う人も多いことでしょう。我が家でも念願かなってパピーウォーカーをしましたが、正直、思ったよりずっと大変でした。うちの場合、回りに経験者もおらず、犬を預かった盲導犬協会から経験者を紹介されることもなかったので、事前に話も聞けませんでした。そこで、パピーウォーカーを志す人の参考になればと思い、断片的ですが我が家の生(なま)の体験と感想をお伝えします。


1.あなたが預かるのは「盲導犬」ではありません

我が家に来たのは何のしつけもされていない生後2カ月の大型犬(ラブラドール・レトリバー)の子犬です。盲導犬候補だからおとなしいなんて、とんでもない!普通のやりたい放題の子犬でした。家や家具はかじりまくり、しばらくはたれ流し(室内飼いです)、散歩は引っ張られてチョー危険。犬はあっという間に大きくなり25キロほどになります。

しつけは必要ないと盲導犬協会から言われても、最低限のしつけをしないと困るのはこちらです。また、えさの銘柄や量は指定されていますが、レトリバーはとにかく食い気ひとすじなので、えさの量を守るのは結構大変でした。少し油断したすきに何でも(食べ物以外も!)食べてしまいます。預かった一年間いろいろな事件や事故が起こりました。幸い大事には至りませんでしたが。

犬が病気になったら、万一行方不明になったら、最悪、死亡したら。また、犬のせいで自分が骨折などのけがをしたら・・・。そんな場合も想定して、預かる前に、起こり得るいろいろな事故について盲導犬協会と、パピーウォーカーの責任や負担費用がどうなっているかを事前にしっかり確認してください。生きものを預かるのですから、契約書にちゃんとそういうことが書かれているはずです。パピーウォーカーをやってみたい思いが勝って、「たぶんそんな事故は起こらないから」と契約書もよく読まずに署名捺印をするのはやめたほうがいいです。

契約書がない場合は論外です。


2.お金も手間もかかります

パピーウォーカーはボランティアなので、犬のえさ代や医療費は基本的には自己負担です(一部を負担してくれる協会もあるようですが)。

我が家の場合、預かり期間が1年を超え、ワクチンと狂犬病注射を2度受けたのでそれだけで2万円を超えました。動物病院にもちょくちょくかかりましたが、盲導犬の子犬だからといって割引はありません。想定外のけがや病気の医療費についても、契約書に明記されているか事前によく確かめてください。


3.犬との別れに耐えられますか

我が家でも「最初から一年で返すと決まっているのだから」と犬を預かったものの、毎日一緒にいれば情も移り、気持ちの上では「自分の犬」になってしまいます。一年後の別れはとてもつらいものでした。よくいうペットロス状態です。犬を返した後の面会には制限があるし、無事盲導犬になっても行く先を教える協会と教えない協会があるので、事前によく聞いてください。

また盲導犬になれなかった場合、引き取って自宅犬として飼うことができる協会もあるので、引き取りを希望するのなら、前もって確認しておいたほうがいいです。


4.見学会(説明会)で大事なのは、犬のいる場所を見ること

我が家も参加したのですが、盲導犬協会では月に一、二度一般人向けに見学会(説明会)をやっています。パピーウォーカーをやってみたい人は参加してみたほうがいいでしょう。その際大事なのは、説明を聞くだけではなく、実際に犬のいるところ(犬舎)を見せてもらうことです。犬の飼育や訓練は協会によって違うので、犬舎をみればその協会の方針が少しはわかります。あなたが本当に犬好きなら、協会の方針が自分のポリシーに合うかどうかよく考えてパピーウォーカーを始めるほうが賢明です。せっかく一年間手間暇かけて犬を育てるのですから。

実際問題として盲導犬協会は全国に約11か所しかないので、選択の余地がほとんどないのですが、自宅に近いからという理由だけで、預かる協会を選ぶのはやめたほうがいいです。

我が家では犬を返した後しばらくして面会に行きましたが、犬が環境の激変からか激やせしており、協会からは納得のいく説明がなく、犬舎も見せてもらえなかったので、大変驚き失望しました。その後他の映像でその協会の犬舎を見たのですが、狭い箱型の犬舎をビルの一室に積んで(コインロッカーを連想しました)、数十匹もの犬を入れていると知り愕然としました。


5.我が家の結論

我が家の結論としては、もうパピーウォーカーは二度としません。自宅に他の犬や猫がいるとパピーウォーカーにはなれない決まりの協会が多いので、自分の犬を飼えば当然パピーウォーカーはできません。

また、これは予想外の結果でしたが、盲導犬制度自体についても多々思うことがありました。

人間には「便利」な制度かもしれませんが、健常者でも大変な犬の世話は視覚障害の方には大きな負担でしょうし、犬の寿命から盲導犬としての稼動はせいぜい8年です。また盲導犬1頭に自治体が公費で約200万円を支払っていることも初めて知りました。盲導犬を何頭ももらう人もいれば、盲導犬は特別な人しかもらえないと思っている視覚障害者もいるそうで、これは非常に不平等だと思います。犬が苦手、または犬を飼う環境にない視覚障害者はこの恩恵を受けられないのです。さらに盲導犬になれなかった犬や引退した犬もボランティアに引き取らせるなどボランティア頼りの部分が多いのも無責任だと思います。 

また犬にとってはどうなのか、短い一生に最低数回も飼い主が変わる、犬本来の体質まで否定するような訓練や盲導犬としての生活、しかも訓練しても3割くらいしか盲導犬になれない、なれない犬はどうなるのか、など大変疑問に感じました。

盲導犬は昔のドイツで戦傷兵のために作られた制度ですが、科学の発達した現在なら、人間にも犬にももっとよい方法があるはずです。なぜ盲導犬制度だけに莫大な公金や寄付を使う必要があるのでしょうか。皆さんにもぜひ考えてほしいと思います。



管理人より 108日に和光市駅で起きた盲導犬「虐待」事件について)

この事件はアイメイト協会(練馬区の盲導犬育成団体)の男性ユーザー(盲導犬使用者)が、駅のホームで自分の盲導犬を怒鳴りつけながら宙づりにし、蹴り上げる動画が、居合わせた人のフェイスブックにアップされ、虐待ではないかとネットで大炎上したものです。

この動画の視聴回数は約7万回に上り、種々のネットのニュースサイトでも取り上げられ、「週刊女性」(主婦と生活社)の記事にもなりました。

事件の当事者であるアイメイト協会をはじめ、全国の11盲導犬育成団体中、8団体が加盟する「全国盲導犬施設連合会」も声明を出す事態に至りましたが、アイメイト協会はこの連合会には非加盟です。

この事件の盲導犬は、事件後数日でユーザーから引き上げられ、このユーザーには二度と盲導犬は支給しないことになった模様ですが、詳細についてはアイメイト協会から何ら公的な説明が無いままです。

この事件について、ネットのニュースサイトから下記の3本を紹介し、併せて全国盲導犬施設連合会の声明文と、アイメイト協会が自らの公式フェイスブックとホームページに掲載した声明文を紹介します。

なお、アイメイト協会公式フェイスブックにもこの事件に関するコメントが多く寄せられています。

PiXLS[ピクルス]

・2017/10/14  炎上の『盲導犬を蹴る動画』利用者が人物特定!駅のホームで犬を蹴った男の名前や顔画像拡散!?所属盲導犬協会 は!?

・2017/10/25  『盲導犬を蹴る動画』の盲導犬協会アイメイトが’’ネット私刑’’を訴え炎上!「蹴っていない」「虐待はなかった」と主張!

・2017/11/4東洋経済 ON LINE  週刊女性プライム「盲導犬への暴力」騒動で見えた現状と問題点

・全国盲導犬施設連合会 盲導犬を足で蹴っている動画について(声明文)   

・2017/10/14 アイメイト協会フェイスブックお知らせ 昨日アイメイト(盲導犬)を回収

「多くの問い合わせをいただいたネット掲載動画の件、ご心配をおかけしました。個別のお返事は難しい状況にありますので、こちらでお伝えいたします。
問題の使用者判明から2日後の昨日ですが、アイメイトを使用者から回収し保護しましたのでご報告します。動画にあった行為は当協会として憤りを感じる許しがたいものです。また安全で正常な使用状況とも認められません。

今回は誠に遺憾な事態となりましたが、このような事が二度と起きないよう、使用者とアイメイトが信頼関係の上で最良のパートナーとなれるよう、今後とも当協会は歩行指導に努力してまいります。」

1014日には、自らのフェイスブックに上記の投稿をしていたが、1023日には以下のように態度を豹変させた。

・2017/10/23  公益財団法人アイメイト協会 盲導犬を蹴ったという動画について 

寄稿1 「盲導犬の限界 視覚障害者に盲導犬ロボットを」

(筆者は1年以上にわたり盲導犬ボランティアをし、盲導犬を使用する長年の友人もいる方です)

 盲導犬を連れた視覚障害者の事故が相次いでいますが、高齢化にともない、これから様々な事故が起こることが心配されます。視覚障害者のための盲導犬ですが、今、代替え手段が求められています。

 盲導犬の育成には多大なコストを有し、飼育・訓練に莫大な労力を要します。使用者にとっても犬の世話(食事、排せつ、手入れ、健康管理)もかなりの負担になり、犬の寿命から長くても8年で引退の時期が来ます。また、住環境、アレルギー、高齢等身体的な理由で盲導犬を持てない視覚障害者が圧倒的に多く、盲導犬はごく一部の視覚障害者しか使うことができないのが現状です。

 私は、全ての人が使うことのできる、盲導犬に代わるものはないだろうかと考えてきました。今、自動運転の車が走っています。 GPSが道案内もしてくれます。介護ロボット、お掃除ロボット、AIロボットと様々なロボットが身近なものとなっています。盲導犬は時代遅れなのでは?という思いになりました。

 調べてみると 盲導犬の役割を果たすロボットが研究、開発されていることがわかりました。例えば『日本精工』の盲導犬ロボット(註1)は、2016年に病院など屋内での施設案内用として実用化され、4年後の2020年には屋外利用の実現を目指すところまできています。ロボットなら盲導犬のように世話をする必要もなく、アレルギー等の心配もなく、メンテナンスを行えば使い続けることができ、安全性も高いと思います。

 視覚障害者の助けになりたいという、思いやりの心が技術開発に結実し、日本をはじめ世界中の道や駅のホームで盲導犬ロボットを見られることが目前にきていると感じます。このように盲導犬ロボット実用化への取り組みは着々と進んでいます。しかし、盲導犬を支援する団体は多いものの、盲導犬ロボットを支援する団体は見当たりません。

 これからは、全ての視覚障害者が平等に使用できる、視覚障害者の真のパートナーとなる盲導犬ロボットが認知され応援されることが望ましいと思います。2020年の東京オリンピックには、盲導犬ロボットを連れた方を見守り、声を掛け合える社会になっていてほしいと願っています。

 これからも盲導犬ロボットの研究開発をしている企業に、応援のメッセージを送っていこうと思います。 

(註1)日本精工株式会社は、日本の ベアリングメーカー (本社・東京都品川区)。国内ベアリング業界最大手。世界では3位。盲導犬型ロボットの研究開発にも携わり、2011年『国際ロボット展』 に出品以降、ロボットの 改良実用化に努めている。



寄稿2 いいことづくし! 美談ばかりの盲導犬 実は利権がらみで問題だらけ!

ーいいことばかり吹聴しているものに、ろくなモノはありませんー

訓練開始後、激やせし、衰弱した様子に。訓練士が近づくと震えていた

全く散歩させない・排泄は飼い主が指示した時のみ・マーキングも走るのも禁止・飼い主以外の人や、他の犬とのスキンシップも禁止・犬にとって大変重要な、飼い主とのアイ・コンタクトが全くできない・短い一生に飼い主が最低5回も変わる(繁殖時、パピーウオーカー、協会で訓練、ユーザー、引退後)・60代はおろか、70、80代の、犬を飼ったことがない人が大型犬の飼い主になる。

盲導犬の日常は、ペットは無論、他のどの使役犬よりも過酷だ。

訓練開始後、激やせし、衰弱した様子に。訓練士が近づくと震えていた

  盲導犬団体は全国に11団体あり、どの団体も公益法人や社会福祉法人認定を受け、公金から育成費や補助金を得、その他にも寄付など莫大な収入がある。某大手団体では、かつて年度総収入を、その年度の盲導犬育成数で割ると、1頭あたり4000万円以上になったほどだ。しかし盲導犬団体のうち2団体は長年、所有する犬の登録さえしてこなかった(違法)。訓練しても、盲導犬になれる犬は全体の3割以下だが、無登録だと、なれなかった犬の行方が全くわからない。また盲導犬団体は、大手は100頭以上の犬を所有するにもかかわらず、福祉目的という理由で、「動物取扱業者」にも入っていない。2013年の動物愛護管理法改正により、営利を目的としない動物の取扱業者を「第二種動物取扱業」とする届出制度が新設され、盲導犬団体もこれに含まれることになったが、第一種動物取扱業の適用対象からは除外されたままである盲導犬1頭が支給されるにつき、地方自治体から盲導犬団体に、盲導犬育成費として約200万円(税金)が支払われるが、その後盲導犬がどうなろうと、査察機能はない。短期間で盲導犬が引退、死亡、失踪(長崎の「盲導犬アトム事件」参照)しても、盲導犬団体や使用者の責任は不問のままだ。

  よく「数千人(の視覚障害者)が盲導犬を待っている」という宣伝を聞くが、これも事実に反する。最大手の盲導犬団体でも、盲導犬になるのは1年に50頭以下だが、盲導犬を申請するとほぼ年度内に支給される。また初回申請者より、2頭目以降の申請者が優先され、同じ人が繰り返し受給する場合も多い。実際には盲導犬の希望者は非常に少なく、盲導犬団体は視覚障害者に向けてさかんに「盲導犬を使おう」キャンペーンを行っている。無理に需要を作り、無理のある訓練で盲導犬を育成・支給するため、盲導犬の「虐待」通報が多発し、犬の中途引退、現役中の死亡も少なくないようだ。犬の寿命から、長くても8年しか「稼働」しない盲導犬。こんなに非効率で不経済な方法より、先進的な情報網や IT・科学技術を駆使すれば、合理的で普遍的な「福祉制度」を生み出すことは可能なはずだ。

盲導犬になる主な犬種ラブラドール・レトリバーは30キロ前後になる大型犬で、健常者でも世話は大変だし、えさ代や医療費もかさむ。大半の視覚障害者は白杖を使って生活しており、「面倒」で経費のかかる盲導犬より、白杖歩行訓練の充実や補助、安全に歩くための器具や設備の開発・普及への助成、周囲の一層の見守りと手助けを訴える人も多い。現在の盲導犬制度は、税金の無駄使い、福祉の極端な不公平、犬の虐待ではないでしょうか。                                      元盲導犬ボランティアズ  

盲導犬を増やすより、盲導犬のいらない社会を!

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